2008年6月29日日曜日

ビル・ゲイツ

ビル・ゲイツがMicrosoftを去る。
慈善活動に専念するからだという。

GoogleやAppleに苦戦している今、その戦いに身を投じられないことに物足りなさを感じないのか、というCNETの取材に対して、

This whole thing about which operating system somebody uses is a pretty silly thing versus issues involving starvation or death.(「飢餓や死に関する問題に比べれば、誰がどのOSを使うかなど取るに足らないことだ」)


と言ったのだという。

ほんとですか?
それだってとっても重要なことなはずなのに。


率直に言って、ビル・ゲイツがITを離れるのは、衝撃的だ。
ITの限界を自ら押し上げてきた男が、
「もーこれ以上むりでしょ、IT」
という方向転換に踏み切った。
ITでは飢餓や死が救えないという諦めが、
ビル・ゲイツにもあるのだという事実におののく。

その敗北感。

その絶望。


でもきっと、誰もがぶつかる壁がそこにある。
Googleも、Mozillaも、それぞれのやり方で世界を変えようとしている。
きっと、変わらない世界の現実に打ちのめされる日が来る。
その壁を、その現実を、ビル・ゲイツが乗り越えられなかったものを、乗り越える人物が現れなければ、IT業界はここが限界だ。

ビル・ゲイツを越えなくてはいけない。

2008年6月25日水曜日

ボリューム

音がちっちゃいな、
と思って音を上げた後、
下げるのを忘れてて別の曲を聴くと
音がでっかくてびっくりしてヘッドフォンを外す。

という経験はありませんか。
俺はしょっちゅう。

この場合、悪いのは、
音がちっちゃい方なのか、
音がでっかい方なのか。

俺の耳に直接的に被害を与えたのは
音量がでっかい曲の方だけれど、
その被害を増幅させたのは、
俺に音量を上げさせた音量ちっちゃい曲の方だ。


それは、善意に隠された悪意。

「あなたの耳を気遣っています」という風を装いながら、
しかし、そのあと俺の耳がどんな目に遭うか、
想像力を働かせることをしないという怠惰。

アメリカの食料援助によって、
戦後の日本のコメ農業がだんだんやせ細っていったように、
そうして俺の聴力はだんだんやせ細ってゆく。
僕のやさしさもだんだん齢をとる。


オートボリュームもうちょっと進化しないかな。

2008年6月23日月曜日

「株式会社」SCRAP

SCRAPが株式会社になった。

SCRAPとは。
京都の、ロボピッチャーが率いる、
ロックなフリーペーパーを生み出す団体だ。

HP:
http://www.scrapmagazine.com/


「団体だ」といったときに、それがなんなのかはわからない。
NPOってなに?
サークルとNGOの違いはなに?
そして、株式会社ってなに?

団体って何?という問いは、
人間って何?というに等しい。
漠然としてて答えが出ない。

はずなのに。

「株式会社です」と言われた瞬間に身構える俺。
あ、ノリが売りのフリーペーパーと思っていてすいません。
みたいな。

でも、株式会社だってノリで売っていいよね。
Googleだって、ノリが大事だ。
SCRAPもそうだろう。
どんな組織になっても、ノリを失っては生きてゆかれない。
どんな人間でも、ノリなしでは平凡な人生は退屈すぎる。

名前に惑わされてはいけない。
株式会社って言われただけですいませんって思って、すいません。
みたいな。

そんなことを、
人間って何?ということも含めて考えさせてくれた、
SCRAPの株式会社化。

SCRAPはやっぱりロックなことをするなと思う。

2008年6月22日日曜日

Sub Pop

The Shins say so long to Sub Pop


The ShinsがSub Popから離れるらしい。
なんで?
そんなにレーベルが合ってないわけではないのに。

でも、今はアーティストが流通形態を選ぶ時代だ。
さながら、農協の求心力が低下した日本の農産物流通のように、
多種多様な音楽の届け方がある。
RadioheadがIn Rainbowsでやったみたいに
革新的なかたちが、これからどんどん生まれてくるだろう。

そんなときにSub Popは、
過去の栄光にしがみついていては生き残れない。
Nirvanaはもういない。

違法コピーが蔓延する時代。
音楽業界なんて、ひとの良心で成り立っている。
反感を買うようなことをすれば、みんなお金を払わない。
Radioheadの音源を勝手にリリースしたEMIにファンは切れているように、
大衆を敵にまわすと痛い目をみるこの時代。

音楽業界が変わろうとしている。