2012年1月28日土曜日

【追記】Twitterが検閲されるという話

昨日の、Twitterが検閲されるという話はちょっとわかりにくかったと思うので補足。
何が言いたかったかというと、

メディアが検閲だ検閲だと騒いでるけど、
要は、ツイートの削除要請が来たら、
いままでは「完全に削除」してたのが、
「その国からのみ見えなくなる」に変わるだけじゃない?
そんな騒ぐほどでもないやん。

っていう話でした。
↓ここの解説がわかりやすい。

What Does Twitter’s Country-by-Country Takedown System Mean for Freedom of Expression? | Electronic Frontier Foundation -  https://www.eff.org/deeplinks/2012/01/what-does-twitter%E2%80%99s-country-country-takedown-system-mean-freedom-expression


あと、ネット上のコンテンツ削除がどういうことかという一般的な話だと、
グーグル八分」の事例が参考になると思います。

2012年1月27日金曜日

Twitterが検閲されるという話

(※追記も合わせて読んでください)

BBCのアカウントから、物騒な見出しのニュースが流れてきた。




ツイッターが検閲されるようになるという。
↓ええっ、と思って元のアナウンスメントを見てみた。(訳は適当です。)

Tweets still must flow
http://blog.twitter.com/2012/01/tweets-still-must-flow.html

As we continue to grow internationally, we will enter countries that have different ideas about the contours of freedom of expression. Some differ so much from our ideas that we will not be able to exist there. Others are similar but, for historical or cultural reasons, restrict certain types of content, such as France or Germany, which ban pro-Nazi content.
 いろんな国で使われるようになると、中には「表現の自由」の概念が異なる国もある。
たとえば、フランスやドイツではナチスに肯定的なコンテンツは禁止されている。

みたいなことが書いてある。


Until now, the only way we could take account of those countries’ limits was to remove content globally. Starting today, we give ourselves the ability to reactively withhold content from users in a specific country — while keeping it available in the rest of the world. We have also built in a way to communicate transparently to users when content is withheld, and why.
これまで、そうした国の制約に対応するには、全世界的にコンテンツを削除するしかなかった。
今日からは、特定の国だけにコンテンツを見えなくできる(他の国のユーザーには見える)ようになった。
また、コンテンツがこの機能の対象となったときは、その理由とともに知ることができるようにする。

みたいな感じ? withholdがうまく訳せません。。


We haven’t yet used this ability, but if and when we are required to withhold a Tweet in a specific country, we will attempt to let the user know, and we will clearly mark when the content has been withheld. As part of that transparency, we’ve expanded our partnership with Chilling Effects to share this new page, http://chillingeffects.org/twitter, which makes it easier to find notices related to Twitter.
まだこの機能は使われていないが、もしツイートを検閲するときはユーザーに知らせるようにし、いつから見えなくなったかはっきり示す。
透明性確保策のひとつとして、Chilling effectsとの連携を強化する。

みたいなことが書いてある。
Chilling effectsは、オンラインの表現の自由を法律面から支えるサイト(?)。
有名なとこだと、グーグル八分に遭うとここに削除依頼が載せられたりする。
ツイッターもたぶん、削除依頼がくるとここに載せられるようになる。



There’s more information in our Help pages, both on our Policy and about Your Account Settings.
ということで、Policyのページを見てみる。



ツイートが検閲対象となったときは、以下のような表示になるらしい。


で、上に書いたように、
検閲は国ごとに行われるわけですが、
その「国」をどうやって判断するかというと
We use the IP address from which you are viewing Twitter to determine your country. For more information, please see the Country Setting support article.
てことで、 IPアドレスから判断しているので、
ツイッター公式ページにアクセスすると見えないけど、
別のサイト(モバツイとか)を通したら見える、
みたいな感じだと思われる。たぶんね。



しかし、さらっと書いてある、
Until now, the only way we could take account of those countries’ limits was to remove content globally.
というのが気になる。
これまでどれくらいが削除されてきたんだろう。

2012年1月22日日曜日

Appleの児童労働のこととかのメモ

アップルの児童労働に関する話が流れてきて、ちょっと調べたことのメモ。
(注:リンク先あんまりちゃんと読んでません)


まず、「Apple Child labor」でぐぐると、ちょうど1年前くらいの記事がいっぱいでてくる。

↓たとえばこれはテレグラフの記事。
Apple's child labour issues worsen
http://www.telegraph.co.uk/technology/apple/8324867/Apples-child-labour-issues-worsen.html

なんで1年前の記事が多いかというと、アップルの2010年度「Supplier Responsibility report」が出たかららしい。
その中で、アップルの下請けの児童労働の問題を、アップル自身が糾弾しているという。

これを「下請けにまで責任を持つなんて、さすがアップル!」と言うか、
「え? 今までNGOとかに言われて来なかったの?」と思うかは人によると思う。
↓そのへんについて、記事の一部が参考になる。
Apple is the only major technology company to audit its supply chain and publish the results. Of the suppliers that Apple visited last year “more than 40pc stated that Apple was the first company ever to have audited their facility for social responsibility compliance,” it said.
However, it does not name individual suppliers, which makes it impossible for outside scrutiny of the firms involved. By contrast, Dell and HP both publish lists of who they buy their components from.

HPとかDellは、下請けの名前リストを公開しているらしい。でも自社で下請けの監査はしてない。コンプライアンスは外部任せ、という感じ。
アップルは、下請けの名前リストを公開しない。でもサプライチェーンを監査して公開している。内部でしっかりやる代わりに、外部チェックは拒否する感じ。(最近変化あり。追記参照)

とにかく、一年前の記事は、アップルの問題をアップル自身が糾弾する、という構造になっている。



一方、今年のニュースもないのかなと思って検索すると結構出てきた。

↓これはガーディアンの記事。
China's Foxconn workers: from suicide threats to a trade union?
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2012/jan/16/foxconn-suicide-china-society

これはアップルに関する記事じゃないけど、
iPhoneとかの部品を作ってるFoxconnという企業についての記事。
工場労働者によるストライキが起こっているらしい。
もちろん、日本企業の下請け工場でも。

アップルのいい独裁に期待するんじゃなくて、
労働者自身がちゃんと声を挙げられるようになってきてるのかな。
なってきてるんだといいな。


追記:
アップルは下請けの名前を公開し、第三者の監査も受けるようにしたらしい。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1201/16/news027.html

まさか、秘密主義のアップルにこんなことができると思わなかった。
これが実際の下請けの改善につながってるのかまだ分からないけど、
ちゃんと改善されていくんだな、と希望を持てる結果にほっとした。

2012年1月3日火曜日

あけましておめでとう、的なこと。自分に対しての。

年が明けたということは、ひとによっていろんな意味がある。
「あけまして」の枕詞の後に続くことばが、
いつも「おめでとう」だなんて限らない。
そのひとの新年の文脈を、不完全にでも推し量りながら、
紙にしたためて、メールで、心のなかで、俺は年賀状を送る。(いつも、いろんなひとに送り忘れるけど)


で、じゃあ俺にとっての新年は何なのかと考えてみるけど、
やっぱりとりあえず、研究できるのも、あとちょっとしかないこと。
それに尽きるな、と思う。


少し遠回りな話をすると、
なぜ、という疑問を解消するやり方は、2つある。

ひとつめは、その疑問に答えること。
ふたつめは、その疑問の原因を取り除くこと。

たとえば、非常にざっくり過ぎる例をあげると、
貧困に苦しむひとがいるのはなぜ、という疑問があるとすると、
貧困がいかに人間を苦しめているか明らかにするか、
人間を苦しめる貧困をやっつければ、
俺はもう「なぜ」に悩まなくて済む。

でも、
「なぜ」の答えを明らかにしたからといって貧困はなくなるわけじゃない。(逆もそうだけど)
「なぜ」に拘泥することは、非人道的な贅沢ですらある。かもしれない。


そんな贅を、貪ることができるのもあと少し。
いろんな人のお金と、時間と、気持ちに後押しされながら、
登場人物ではなくストーリーを、
リアルなものではなくリアリティを、
救済しようとできるのも、あと少し。

社会人になって、また別の「なぜ」へのアプローチに取り組む前に、
いま目の前にある「なぜ」に答えを出したい。
みすぼらしくても誠実に、自分の答えを書き綴りたい。

あと少し、研究できるという幸せ。
あけまして、おめでとう。