2008年6月29日日曜日

ビル・ゲイツ

ビル・ゲイツがMicrosoftを去る。
慈善活動に専念するからだという。

GoogleやAppleに苦戦している今、その戦いに身を投じられないことに物足りなさを感じないのか、というCNETの取材に対して、

This whole thing about which operating system somebody uses is a pretty silly thing versus issues involving starvation or death.(「飢餓や死に関する問題に比べれば、誰がどのOSを使うかなど取るに足らないことだ」)


と言ったのだという。

ほんとですか?
それだってとっても重要なことなはずなのに。


率直に言って、ビル・ゲイツがITを離れるのは、衝撃的だ。
ITの限界を自ら押し上げてきた男が、
「もーこれ以上むりでしょ、IT」
という方向転換に踏み切った。
ITでは飢餓や死が救えないという諦めが、
ビル・ゲイツにもあるのだという事実におののく。

その敗北感。

その絶望。


でもきっと、誰もがぶつかる壁がそこにある。
Googleも、Mozillaも、それぞれのやり方で世界を変えようとしている。
きっと、変わらない世界の現実に打ちのめされる日が来る。
その壁を、その現実を、ビル・ゲイツが乗り越えられなかったものを、乗り越える人物が現れなければ、IT業界はここが限界だ。

ビル・ゲイツを越えなくてはいけない。

0 件のコメント: