世の中には2種類の人間がいる。
いずれまた会う人と、もう会わない人だ。
会えなくなる理由は山ほどある。
遠くに引っ越して、とか、仲直りできないほどにケンカして、とか、ケータイを壊して連絡先が分からなくなって、とか、特に理由はないけどなんとなく、とか、死んでしまって、とか。
死んでしまったひとには絶対会えない。その断絶っぷりについ目を奪われるけれど、会えなくなる理由にはもっとグラデーションがある。あんまり死だけを特別に考えない方がいい。と思うことにしていて、人と会って別れるとき、もう会えないことをいつも覚悟する。
え、そんなこと言う割にいつも別れの挨拶とか雑じゃない?
みたいなツッコミが画面の向こうから飛んできそうだけど、それはそれ。会えない人なんて山ほどいるから、いちいち悲しんでたら生きてけない。という書き方をするとイラッとされるのであれば、そういう悲しみを重層低音として抱えて生きている、とか言った方がエモいかもしれない。けど、俺にとってはどちらも大して違いはない。
とにかく、会えなくなる理由はいっぱいある。
ひとと会えなくなるのが嫌な人は、死だけに気を取られて油断しない方がいい。
ひとと会えなくなっても別に悲しくない人は、死にもそこまで悲しむ必要はない、はず(それでも死を悲しむ必要があると感じるなら、あなたはきっと、ひとと会えなくなるのが嫌な人なんだと思う。普段からもっと悲しんだ方がいいよ)。
会えなくなる理由にはグラデーションがある。そうある以上、受け止め方にもグラデーションがあるべきだ。
すべてを全力で悲しむわけにはいかないし、すべてを全力で無視するわけにもいかない。悲しみ方を決めてくれるような便利な宗教(あるかどうかよく知らない)にでも入ってない限り、白黒はっきりしない世界の中を生きていくしかない。しかない、というか、実際そういう世界を生きてるし。
もっと器用に悲しめるようになりたい。練習しないと。
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