2016年12月10日土曜日

エモい、の意味、あるいは、言葉の正統性についての小言。

突然だが、「エモい」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。

俺はこのあたりを思い浮かべる。



そしてこれは「エモ」という言葉の理解としてけっこう正統なものだと思う。ちょっとググると出てくるけど、「エモい」というのはまさに音楽のジャンルとしての「Emo」を出自とする言葉だからだ。(ちなみに読み方は「いーもぅ」という感じらしい)
音楽のジャンルの一つである「エモ(Emo)」「エモーショナル・ハードコア」、それに由来するファッション、文化全般、その様子の俗称。感情的、情緒的を意味する英単語「Emotional」に由来する。Emoい。
えもいとは (エモイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
が、そういう言葉の来し方を誰もと共有できるわけではない。それは知っている。知ってはいるけど、
とか言われると、Green Dayと昔の宮廷人が結びつかなくて、なんかそれ俺の知ってるEmoと違う!と思ってしまう程度には俺は頭が固い。

なるほど言葉の意味は用法だ。 「正しい意味」なんていうものはなくて、どう使われどう伝わるかがすべて。上のツイートをした飯間さんも「的を得る」誤用説に関してそういうコメントをしている。

でも人は言葉から意味だけを理解するわけではない。もっとたくさんのものを汲み取ろうとする。どういうニュアンスを表現したいのか、どういうユーモアが込められているのか、同じ用法の言葉がいくつもある中からそれを選ぶことは果たしてどういう社会的なコードを持つのか。

そういうとき俺はかなり語源とか元ネタに頼る。必要以上にググるし辞書を引く。ちなみに辞書はちょっと古めのやつのほうが、今の意味との差を積分すると語源に近づけるような気がして良い(※個人の感想であり、効果には個人差があります)。

その結果、こういうことになる。

これを専門用語(?)でミーム汚染というらしい。

元ネタは危険だ。元ネタは必ずしも現在の意味とは関係ない。そのくせ、正統性という圧倒的強さで記憶に焼き付こうとしてくる。ひとたびそれを知れば元通りではいられない。

もう俺は、グリーンデイのグの字もしらん若造がエモいとか言うな!みたいな老害に片足を突っ込んでしまったので手遅れだが、若者はどうか自由にことばを使ってほしい、みたいなことを思った今年の新語2016だった。

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