2010年6月2日水曜日

はじめての、里帰り。

といっても、実家には一瞬帰るだけだけど。


でも、不思議と「帰る」という感覚はない。


なんか暗い言い方をするとさ、
俺に帰る場所なんてないんじゃないのかな、と時々思う。
誰にも好かれない代わりに誰にも嫌わないように、
どこにも属さないように生きるのが身に染み付いてしまって。


大阪は生まれただけで、

京都は育っただけで、

千葉は今たまたま住んでるだけ。


マクドナルドで延々話してる高校生みたいに、
俺はいつも家に帰りたくない。
どこでもないここにいたい。
誰でもない匿名の誰かでいたい。

いなくなりたいわけじゃなくて、
行方不明で、いたい。
そんな欲求に駆られる。


そして世界は、俺のそんな邪悪な欲求を実現する方向に回っている。
グローバル化した世界は均質で、どこでも同じ空間が広がっている。
個人は、名前とか所属みたいな情報にとって代わられ、顔が見えなくなる。

「どこでもない」「誰でもない」は、
「どこでもいい」「誰でもいい」に巧妙にすり替えられる。
場所も人も、取り替えがきくものとして大量生産されてしまう。


行方不明になりたかっただけなのに、
どこまで走っても同じ場所で、
いつの間にか人混みに紛れてみんなと同じ人間になっている。

隠れたかっただけなのに、
薄められて、さらけ出されてしまう。


どこにも逃げ場はない。
俺はどこにも行けないし、どこにも帰れない。
だってどこでも同じなんだから。

なんていう妄想を、

大阪は、乱暴に俺を叩いて振り払ってくれる。
癖が強いから好き嫌いあるけど、
俺は好き。大阪。


大阪に、帰ってきます。
実家にも帰ってきます。
つっこまれて元気になってきます。

…なにこの暗い日記?(笑)

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