基本的に、
すべてのハッピーな人間は、敵だと思っている。
なにに、
カオサン通りにいると、
幸せに生きてる感じのバックパッカーによく話しかけられる。
で、あげくの果てに、
「バンコクに3週間? 飽きない?」とかいわれるけど、
俺は飽きるほどバンコクにいるために、いろんなことをすっぽかしてまでここにいるんです。
自分の未来を、穴が開くほど見つめないといけないんです。
とか言って、
じゃあ何か大したことしてるのかというとそんなことはなくて、
まだタイ政府の人と開発コンサルの人にあって話を聞いただけで、
あまりに密度の低い日々を送ってる気がする。研究的には。
今日一日、船に乗って川から街を眺めてみたけど、
なんかイマイチよくわからない。
川沿いにずっと堤防(といっても道路からの高さは1mくらいの壁)があって、
人と水の関わりは見えてこない。
10年前にはまだ堤防がなくて、そのときならまだわかったのかな。
でも、考えてみれば、わかるための知識を俺は持っていない。
農学部だったから、それが農村なら多少はわかる。たぶん。
けれど、年は俺にとって未知の領域だ。
いつも都市に暮らしてるのに。
建物のことも、
道路のことも、
地理学のことも、
空間論のことも、
タイ語も、
俺はぜんぜん知らない。
まるで自分の知らなさを知るためにここに来たみたいで、
なんかやだ。
「自分の足りないところを知れてよかったです」
なんていうのは、ハッピーな人の言葉で、
俺はそんなこと、口が裂けても言わない。
とかいって帰ったらうっかり言ってしまうんだろうな。
あーあ。
バンコクはもう飽きた。
ひとに言われなくても分かってる。
もう飽き飽きしてる。
ただ観光するだけなら、
もう飽きてしまったんだ。
でも、知りたいことがある。
うわべを撫でるだけでは見えないものを見たい。
飽きるほどここにいてその先に、何があるのか、知りたい。
バンコク滞在ももうすぐ折り返しだ。
1 件のコメント:
Mahasawat Canal 、素敵な場所でした!
コメントを投稿