「その街のこども」という映画の予告編を見つけて、
記者会見で森山未來が言葉に詰まってる場面を見てなんだか胸が詰まって、
よくわかんないけど観なくては、と思って、観た。
どういう映画だったのか、説明するのが難しい。
夜の街をずっと歩いて行く映画で、
全体的に画面が暗い。
こんなに暗くてテレビ的に大丈夫なの?というくらい暗い。
そういう不安はつくってる側にもすごくあったらしくて、
上の記者会見でも、そういう話をしたことがあったんですけど、と言ってる。
森山未來は「でも、」と続ける。
「やっぱり、神戸の人間ならば、この、真っ暗な情景でも…」
と言って、どんな言葉を継ぐか少し迷うように間があって、
「神戸っていうものは、伝わるから」
と言った。
その「伝わる」という言葉が端的過ぎて胸に突き刺さる。
端的過ぎて何が言いたいのかよくわからないけど(笑)、
そういう、よくわからない、
言葉では伝わらない、映像では映らない、
なにかが「伝わる」ような映画だった気がした。
暗闇だったり、間だったり、描かれないストーリーだったり、
そういう余白を、
想像力とか、震災の記憶とか、神戸の街の思い出で埋めて、
よくわからないけど涙がこぼれる。
なにをされたのかよく分からないけど、
なにかが伝わってくる気がする。
震災のことも、神戸のことも、
俺は中途半端にしか知らないけど。
こういう、語らないことで伝えようとする映画を久々に観た。
それってすごく勇気が要ることで、森山未來も、
こう、みんなも、照明さんも、すごくそういうの勇気が要っただろうし、もちろん、撮影の方だって、みんなやっぱり勇気が要ったと思うんですけど、それを、なんか応えて、で、こうやって評価されることは、とても嬉しいです。ほんとに。
と言ってる。
すごい映画だな、と思った。
神戸、いい街だな、と思った。
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