2009年1月23日金曜日

ジョブズのいないApple

Linuxを使い始めて半年が経つが、
そろそろMacに戻ろうかな。
と思い始めた理由は、「ジョブズのいないApple」が現実味を帯びてきたから。

スティーブ・ジョブズは、どん底だったMacに奇跡の復活をもたらしたApple社のCEO。
もはやいまのAppleはジョブズでもっている。
そんなジョブズが、療養のために半年休養するという。


はばからず言うと、
俺はジョブズが嫌いだ。

いまのAppleは、まるで北朝鮮のようにさえ見える。
↓健康問題を隠すへんがよく似ている。

アップルのジョブズ氏健康問題、SECが情報開示巡り調査(日経ネット)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090122AT2M2200T22012009.html
ジョブズ氏は14日、病気治療のため6月末までの休養を表明したが、病状の詳細は示していない。アップルの経営は同氏の手腕への依存度が高いとされ、投資家などが「経営に大きな影響を与える重要事項にもかかわらず開示が不十分」と批判している。



iPodだとかiPhoneだとか、
人気商品の開発秘話を聞くと、
ジョブズの無茶な要求に応える技術者の悲鳴が垣間見える。

もちろん、メディアはそれを賞賛する。
ジョブズが独裁的に設定した高いハードルを乗り越えてきたからこそ、製品の完成度は高い。
そしてそれはやがて、商品への賞賛から、ジョブズへの賞賛へとかわる。

高いハードルを乗り越えた者ではなく、
高いハードルを課したものが賞賛をひとり占めするのだ。


なぜ?


と思うと同時に、
客観的にそれはいいことではないと思う。

ひとりのカリスマがなにかを引っ張るというモデルは、
ITの世界の中ではあまりに時代遅れなのではないか。
これからはコミュニティの力だ!と言われ続けて何年経っただろう。
いまだに戸惑い続けながらも、コンピュータ産業は個の力ではなく全体の力を活かすプラクティスを重ねていっている。
Appleは、成果は最先端を走っているけれど、プロセスは時代錯誤的だ。


とはいえ、
Appleの技術力はすごい。
これだけの無茶に応えて来れたのだから。
ジョブズのいないAppleでそれがどう発揮されるのか、
Appleのコミュニティがもがくその様をこの目で見ていたい。

2009年1月21日水曜日

"do a Radiohead"

Faithless could 'do a Radiohead' - BBC
http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/7838362.stm


"do a Radiohead"とはどういう意味か。


を説明する前に、Radioheadとはなにか。

イギリスの5人組ロックバンド。
ジャンルにとらわれず、創造的な楽曲を作り続けている。
1997年に出したアルバム「OK Computer」は、90年代最高のアルバムと名高い。

あと、ボーカルのThom Yorkeの動きが挙動不審な感じで有名。
↓こんな感じで。


15 Steps - Scotch mist version


で、"do a Radiohead"とはどういう意味か。
それは、上の「15 Steps」も収録されている7枚目のアルバム「In Rainbows」のリリース方法を指す。


2003年、Radioheadは「Hail to the Thief」をリリースし、それまで10年間以上所属してきたEMIとの契約が終了。バンドはフリーになる。
それからしばらくは、ツアーをしたり、個人で活動したりしていた。
そしてそのうちに、アルバム作成の話が聞こえてくる。
2007年半ばに、もうすぐ完成しそう。みたいなことが公式ブログに書かれて、みんなの期待は高まる。
でも、バンドは未だにどのレーベルとも契約してなくて、
これは、レーベルと契約してからCD出してっていうと…来年かなあ。
WTF。
みたいな嘆息があちこちで聞かれた。


そんな時だった。


2007年10月1日に突然、公式ブログに発表があった。

Hello everyone.
Well, the new album is finished, and it's coming out in 10 days;
We've called it In Rainbows.
Love from us all.

「In Rainbows」の文字にリンクが張られていて、クリックすると特設サイトが開く。
特設サイトでは、アルバムのmp3が購入できる。

何が革新的だったのか。

それは、アルバムの値段にある。
そこには"It's up to you"と書かれ、
払うお金を自分で決めれるようになっている。
$100でも$1でも、
そして、$0でもいい。

その衝撃。
想像できるだろうか。


音楽を生業にしている人間が、
その音楽をタダでもいいよと言う。

そして、タダでもいいよと言われてもなお
人々はお金を払う。


結果は、ダウンロード数は300万以上、売り上げは10億円以上と言われている。


革新的だったのは、
そういう善意を信じる、Radioheadのスタンスだった。

信じることほど簡単で難しいことはない。
そして、俺たちはいずれその難しさと向き合わなくてはいけない。
世界は善意でできている。


音楽業界は必死になるけど、
著作権はどんどん痩せ細っていく。
音楽はやがて、栄養失調で死ぬのかもしれない。


音楽なんて、
友達のCDをコピーすることもできるし、
Youtubeでタダで聴くこともできるし、
ひょっとするとP2Pで違法にやりとりされている。

なのに、
なぜ音楽にお金を払うのか。

その答えは、Radioheadも知らない。
誰も知らない。

2009年1月16日金曜日

今年の夏、飛べない鳥。

「鳥人間コンテスト」2009年開催休止と2010年開催のお知らせ
http://www.ytv.co.jp/birdman/info2009.html


関西方面で微妙に夏の風物詩になっている、鳥人間コンテスト。
今年は番組制作費がつかなかったらしい。
意外とお金がかかってるのかな。

というわけで、今年は鳥人間が飛び立てない。


が、そもそも。


鳥人間のほとんどは、飛べない鳥だ。
飛び立てずに滑走路から急角度で水面に突っ込んで湖のもくずと化す。

初めて見たとき、あれだけ多くの人力飛行機が粗大ゴミになっていく様子は衝撃だった。
ほとんど、ではない。
例外なくすべての機体がゴミになる。
どれだけ遠く長く飛んでも、
最後は着水する。

なにかトラブルがあって飛べなくなる機体もある。
すると、
「無念のリタイアです!」みたいな実況があった次の画面では、そのチームの人たちは自分たちが作った飛行機を湖へと押しやっている。

ゆっくりと墜ちていく。
水面とぶつかる機体。
飛び散る波しぶき。
風に舞う涙。

まるで葬式のようだった。
物理的に飛べないならせめて、
死んで天国に飛んで行け、みたいな。


でも、そんなメロドラマには感情移入せず冷めた目で見ると、これほどの環境破壊はない。
持って帰ればいいのに、なぜ。


飛行機が次々に湖に身を投げる様はまるで、
地球環境に対する特攻のように見えた。


あのゴミはどこに行くんだろう。
と不思議に思っていたけど、
たぶんそういうのの処理にお金がかかるのかな。


来年は生で見にいきたいな、と思った。

2009年1月13日火曜日

Google検索と二酸化炭素

グーグル検索2回でおよそ7gの二酸化炭素が排出--米物理学者が指摘
http://japan.zdnet.com/news/ir/story/0,2000056187,20386361,00.htm

Revealed: the environmental impact of Google searches
http://technology.timesonline.co.uk/tol/news/tech_and_web/article5489134.ece



二酸化炭素が7gってどのくらいかというと、
2回ググれば、やかんでお湯を沸かすのに匹敵するくらいらしい。
どういう計算で出したのか謎だけど。
ちなみにGoogleは、そんなに多くないと反論している。


IT業界が出すCO2は世界全体の2%。
航空業界が出す量と同じらしい。


それでも。
これがホントかウソかはわからないけれど。
個人的には、Googleが悪いとは思わない。

たとえ検索にエネルギーがかかっているとしても、
Googleの検索は、欲しい情報に到達する近道を教えてくれる。
それはそれでエネルギーの節約だし、
節約にならなくても、地球の命を削る価値があるものだと思う。


でも、Youtubeはきっとたくさんのエネルギーを使ってる。


最近のウェブサービスは、中毒性の高さを目指している。
アクセス数ではGoogleにはどこも勝てないから、
1回の訪問で何時間も滞在するサイトが増殖している。

mixi
facebook
last.fm
second life
...

なんでそんなサイトが流行るのか。
ひとは、現実から逃げ場を求めているからだ。


ひょっとすると温暖化しているこの世界のことを忘れたくてネット上に逃げ込むのに、気付かずに温暖化に寄与してしまう。

そんな皮肉。

俺はふと、松尾スズキの「ヘブンズサイン」にあった台詞を思い出した。
過食症の女に向かって魔女みたいな悪役が投げかける言葉。


食べろ食べろ。食べてる間だけは太ることを忘れられる。



名言だと思う。

あなたは、
何を忘れたいのだろうか。

2009年1月6日火曜日

農園検索サイト「タガヤシ」

農園とか耕作放棄地が検索できる。
株式会社マイファームという、貸し農園を運営する関西の会社がつくったサイト。

「タガヤシ」
http://www.tagayashi.jp/


便利そう。
まだできたばっかりで、マイファームしか登録されてないけど。

正直、この小さな会社にどれほど求心力があるのかよくわからない。
ほんとに貸し農場の情報がここに集約されるのだろうか。
農業が大事だ大事だと叫ばれる中で、こういうのが乱立しそうな予感がする。

大事であればこそ、手を取り合うことが難しいこともある。
このサイトがそんないざこざに巻き込まれないことを祈っている。

2009年1月5日月曜日

埋火

うずみび
と、読むらしい。
福岡の3ピースバンド。



「埋み火」
炉や火鉢などの灰にうずめた炭火。いけ火。(大辞泉)


その名前通り、
静かなようでいて、
くすぶるような鋭さを抱えている。

くるりを思い出した。



「と、おもった」埋火

ふゆ

Bank Bandの「はるまついぶき」を聴いた。

自分がなぜ冬が好きなのか、
わかった気がした。


「はるまついぶき」は新潟・中越沖地震の復興支援のためにつくられたチャリティーソングだ。
櫻井和寿は、ap bank fes '08でこの曲をこう語った。


当然、「雪」というのは雪のことではないし、
「春」というのは春のことではないです。
いまこうやって、幸せな夏を迎えられたことを感謝するとともに、
どこかで、冬を過ごしているひとを思いつつ、
この曲を歌いたいと思います。



どこかで、冬を過ごしているひと。

に、自分がなるときだってある。

季節が移ろうのと同じように、
俺らの心も春夏秋冬を生きている。

「はるまついぶき」は、
春がやがて必ずやってくるし、
この冬を乗り越えるからこそ強くなれるから、
がんばってね。
みたいな歌だが、

だがしかし。

なるほど、これは心の琴線に触れる名曲だと思うけれど、
春を待つことの、つらさ。
それは想像を絶する。

いつくるかわからない春を待つのなら、
むしろ、冬でも生きていけるような強い心と体になりたい。


だから、
そのために冬にしがみついていたいんだ、俺はきっと。

凍えるような寒さも感じないほどに
心が麻痺してしまえばいいのに。
時間も何もかも凍りついてしまえばいいのに。

ずっと冬ならいいのに。




年が変わっても、
季節は変わらない。

いまは冬だ。