http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/7838362.stm
"do a Radiohead"とはどういう意味か。
を説明する前に、Radioheadとはなにか。
イギリスの5人組ロックバンド。
ジャンルにとらわれず、創造的な楽曲を作り続けている。
1997年に出したアルバム「OK Computer」は、90年代最高のアルバムと名高い。
あと、ボーカルのThom Yorkeの動きが挙動不審な感じで有名。
↓こんな感じで。
15 Steps - Scotch mist version
で、"do a Radiohead"とはどういう意味か。
それは、上の「15 Steps」も収録されている7枚目のアルバム「In Rainbows」のリリース方法を指す。
2003年、Radioheadは「Hail to the Thief」をリリースし、それまで10年間以上所属してきたEMIとの契約が終了。バンドはフリーになる。
それからしばらくは、ツアーをしたり、個人で活動したりしていた。
そしてそのうちに、アルバム作成の話が聞こえてくる。
2007年半ばに、もうすぐ完成しそう。みたいなことが公式ブログに書かれて、みんなの期待は高まる。
でも、バンドは未だにどのレーベルとも契約してなくて、
これは、レーベルと契約してからCD出してっていうと…来年かなあ。
WTF。
みたいな嘆息があちこちで聞かれた。
そんな時だった。
2007年10月1日に突然、公式ブログに発表があった。
Hello everyone.
Well, the new album is finished, and it's coming out in 10 days;
We've called it In Rainbows.
Love from us all.
「In Rainbows」の文字にリンクが張られていて、クリックすると特設サイトが開く。
特設サイトでは、アルバムのmp3が購入できる。
何が革新的だったのか。
それは、アルバムの値段にある。
そこには"It's up to you"と書かれ、
払うお金を自分で決めれるようになっている。
$100でも$1でも、
そして、$0でもいい。
その衝撃。
想像できるだろうか。
音楽を生業にしている人間が、
その音楽をタダでもいいよと言う。
そして、タダでもいいよと言われてもなお
人々はお金を払う。
結果は、ダウンロード数は300万以上、売り上げは10億円以上と言われている。
革新的だったのは、
そういう善意を信じる、Radioheadのスタンスだった。
信じることほど簡単で難しいことはない。
そして、俺たちはいずれその難しさと向き合わなくてはいけない。
世界は善意でできている。
音楽業界は必死になるけど、
著作権はどんどん痩せ細っていく。
音楽はやがて、栄養失調で死ぬのかもしれない。
音楽なんて、
友達のCDをコピーすることもできるし、
Youtubeでタダで聴くこともできるし、
ひょっとするとP2Pで違法にやりとりされている。
なのに、
なぜ音楽にお金を払うのか。
その答えは、Radioheadも知らない。
誰も知らない。
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