きのう実家に帰って、録画してもらっていた、
ETV特集『目覚めよ身体,感覚の宇宙 ~メディアアーティスト岩井俊雄の特別授業』という番組を観た。
↓岩井俊雄のブログにちらっと映像が載っている。
http://iwaisanchi.exblog.jp/10346382/
これは、メディアアーティストである岩井俊雄が娘が通う学校で1年から6年までに授業をする、というドキュメンタリー。
授業内容は学年ごとに違って、1年生から順にあがっていって最後は6年生だ。
例えば1年生の授業では、こんなの↓
を子供が自分で考えてつくったりする。
子供の作品はとても斬新で、
俺もこの頃はこんな発想力があったのかな、とか考えてしまう。
でも俺が一番衝撃だったのは、授業ではなくてその前の先生との打ち合わせのシーンだった。
最近は子供は、絵を描いて。と言われて書けなかったりする。
絵を描くことが、家でお母さんといっしょにやる身近なことではなくて、習い事じゃないとできないみたいになってきている。といったことを小学校の先生が言う。
絵を習っていないから、描けない。
その絶望はひとえに、
絵を描くことがどれほど高尚なことなのかという認識による。
思い通りに描くことができて初めて「絵を描く」と認められるのであれば、
本当の意味で絵が描けるひとなんて、この世に一握りもいるか分からない。
思い通りになんて、いかない。
恋も人生も。
絵も。
小学生の2倍3倍の人生を生きてしまった俺は、
小学生の2倍3倍臆病になった。
思い通りにいきそうな絵しか描かなくて、
なのに思い通り描けることはない。
いつの間にかそれに慣れてしまって麻痺してしまって、
それでこそ俺は絵が描けるのかもしれない。
習ってないから絵が描けないという子と俺は、何も変わらない。
ただ俺の方がおかしいだけで。
思い通りにいかないとわかっていて、なぜ絵が描けるのか。
その答えを今の俺は知らない。
昔の俺は知っていたのだろうか。
人と接することと人前に立つことは苦手で、
でも絵を描くことには勇敢だった俺は。
それを必死に思い出そうと、
画面に食い入るように岩井俊雄の授業を観ていた。
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