2009年9月1日火曜日

ひとつだけ

欲しがりません、勝つまでは。



とか言うけれど、
それは裏を返せば、
勝ったら欲しがります。という下心丸出しの宣言だ。

しかも、人間の欲望というのは恐ろしいもので、
「あ、そろそろ勝つかな」と思うと、
まだ勝ってなくても欲しくなってしまう。

むしろ、欲しくなってしまった言い訳として
「そろそろ勝つかな」とつぶやいてみるのかもしれない。

欲望は、そうしてフライングする。


まあそもそも、
欲しがりません。といくら大声で叫んでみたところで、
欲しがる、というのは心の問題であって、
スローガンで心を改変しようなどと、おこがましい。
欲望に打ち勝つなんてどだい無理な話だ。


ほらその証拠に、
「欲しがりません」とだけ宣言しておけば潔いものを、

いやー、やっぱり一生欲しがらないのはちょっとムリかな。
いや、ムリかなって言うと語弊があるけどね、
まあ俺は大丈夫だけど、ムリなひともいるかなって思って。
ね、そういう思いやり的なね。

という、日本が誇る優柔不断さを遺憾なく発揮し、
「勝つまでは」を付け加えてしまっている。

その時点でもう、敗けでしょ。
精神的に。


勝っても欲しがる。
負けても欲しがる。

じゃあ今から欲しがってもいいんじゃない。

と俺の欲望がささやく。
まだ院試の結果は出てないけど。



服が欲しい。
かばんが欲しい。
机が欲しい。
ノートパソコンが欲しい。
CDが欲しい。


欲しい欲しい欲しい!



資本主義の世界はそういう欲望でくるくる回っていて、
しかし少し視点を変えれば、
俺達はそういう世界にくるくる踊らされている。


目が回りそう。


ふと矢野顕子の歌を思い出す。
欲しいものはたくさんあるの

きらめく星くずの指輪

寄せる波で組み立てた椅子

世界中の花集めつくるオーデコロン


けれども今気がついたこと

とっても大切なこと

欲しいものはただひとつだけ

あなたの心の白い扉ひらく鍵

(矢野顕子「ひとつだけ」)

そういう、シンプルな欲望がいい。

じゃあ俺は、
ひとつだけ、といわれたら何を選ぶかなー。
とりあえず。

うーん、かばん?
今のはぼろぼろだし。
もうちょいカラフルなかばんがあれば、
もうちょいカラフルな生活になりそうだし。


以上、いろいろ欲しいけれど、
お金がない現実に右往左往する、
俺の頭の中でした笑

0 件のコメント: