2014年9月13日土曜日

幸田文「台所のおと」

台所のおと (講談社文庫)台所のおと (講談社文庫)
幸田 文

講談社 1995-08-02
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負けを認めようと思う。この本について語ることばを俺は持ち合わせていない。

これは、料理人の夫婦の話。
夫は病気をして、台所と障子ひとつ隔てた部屋に臥せっている。なおりがたい、と医者はいう。その診断はしかし、妻にしか知らされていない。妻は夫にそれを隠そうとするけれど、料理人の夫は、台所で立つ音のかすかな変化からなにかを感じ取っているようでもある。

もともとこの本を知ったのは、鷲田清一の「「聴く」ことの力 ― 臨床哲学試論」という本に〈さわる〉と〈ふれる〉という概念の例として引かれていたのがきっかけ。
そこにはこうある(あき、というのは妻の名前)。
なにも伝えたくないというあきの気持ちが、まるで玉突きのように、あきの所作が立てる音を通して伝わっている。
伝わるでもなく、伝わらないでもなく。
「伝えたくない」という想いだけは、伝わってしまうのだという。

2014年8月17日日曜日

母が死んだ。

母が死んだ。

1年前に末期のがんが見つかって、だいたい余命1年くらいと言われて、
色んな人と話したり色んなところに行ったり、
普段話すことを話したり普段話さないようなことを話したり、
闘病したり弱音を吐いたり。

なんだかんだ、1年を生きた。

その1年を、あるいはもっと長いそれまでの母の人生を、
ここで物語り尽くすことばを俺は持ち合わせていない。

物語ることができないのならば、せめて、
もうひとつメタな、物語るとはなにか、ということについてぼんやりと書き留めておきたい。

2014年5月24日土曜日

CDジャケットを手作りするレーベル sonic pieces

Mac使うのやめたころからCD派になった。

本の装丁のようにCDのジャケットにも表情があったりして、
中でも今日買ったこれはひときわすてき。
深みのある緑色に吸い込まれそうになる。

PinoPino
Otto a Totland

Sonic Pieces 2014-02-17
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これを出してるのは、ドイツはベルリン、sonic piecesというレーベル。
なんと、CDのジャケットはすべて手作りだという。すごすぎる。
(このレーベル有名なんですか? 俺がいままで知らなかっただけ…?)

2014年1月23日木曜日

ロボット時代の悪人正機説

学会誌「人工知能」の表紙について人工知能学会が説明 「女性差別」の批判受け - ねとらぼ - http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1401/09/news082.html


この話題、いまさらすぎるけど思ったことをメモ。
人間らしさとは何なのか、について。

「らしさ」には、「らしさ」と「らしくなさ」があって、
例えば俺が、隣の人のボケにツッコミあぐねてもごもごしていると、
「ゆんらしいね」とか「関西人らしくないね」とか言われたりする。

前者は、直截的な「らしさ」で、
俺という人間は優しさゆえに人にうまくツッコめない。

後者は、ややテクニカルな「らしさ」。
俺は俺であると同時に関西人でもあるはずなのに、
「関西人ならツッコミがうまいはず」という一般的な性質(というか偏見)を満たさない、
という点で俺は特徴づけられていて、関西人「らしくなさ」は同時に俺「らしさ」になる。

そういう「○○なはずなのにそうなっていない」という差分こそが、
「らしさ」として強烈に認識される。

2013年12月27日金曜日

今年の10曲(2013年)

ことし印象に残った曲。必ずしも今年の曲ではないです。

1. Factory Floor - Two Different Ways

これ。もう今年はこれの印象しかない。
電子音を冷徹に鳴らすロンドンの3人組。
前衛音楽とダンスミュージックとのぎりぎり境界線を行くバランス感覚がすさまじい。

これを生で聴けた(エレグラで)だけでも今年生きてた価値があったと思う笑
こういう電子音を生で演奏するとかすごすぎる。特にパーカッションが神だった。

2013年9月25日水曜日

日常 その2

かしわ演劇祭が終わって、しばらく演劇とはお別れ。
演じるって何なのか、ちょっと考えたりした。

演劇やりたいなー、となんとなく思って、
ぐぐっているうちに今の劇団をみつけたのがたぶん2010年の夏くらい。

やってる舞台をはじめて観に行ったのは、その年の冬。
で、そこで偶然、代表の人を見つけて声をかけて、
なぜか団員でもないのに忘年会に参加させてもらったりして。

でも、入団を認められるのはオーディションを受けてからで、
正式に団員になったのはもうちょっとあと。年をまたいでからだった。

「もうちょっとあと」がいつなのか、
正確にいうなら2011年2月22日だ。
(いまメールボックスを見返して調べた笑)

2月末といえば就活シーズンで、
俺も流されるようになんとなく就活をしつつ、ぼんやり生きていたころ。

ぼんやりしていても、日常を生きてられたころ。

3週間後に、あの3月11日があるなんて、
まるで想像もしていなかったころ。

2013年9月7日土曜日

最近ブログ書いてないけど、

日記を書いてる。紙のやつ。

けっこう毎日書いてる。
日々の些事を書き留めるべくして。

でも書き留めてるのは今日のことじゃない。
あるかもしれない無数の明日を、たぶん俺は書き留めている。

今日のことは、明日になっても昨日のこととして覚えていられるけど、
いくつもある明日は、明日になるとたったひとつしかない今日になってしまう。
思っていた「もしかして」は、もしかしなくなって忘れられてしまう。

そういう「もしかして」は、あんまりブログに書けない。
よそいきの「たぶん」で着飾っていたいから。
自信のないことは、小声でぼそっと言いたいから。