犬山市も学力調査 これで全自治体参加へ
教育に競争原理を持ち込むことになるからと、全国一律の学力テストに不参加の姿勢をとっていた犬山市が、09年度は参加することになった。参加賛成派の教育委員を増やして根回しした結果らしい。これで、4月の09年度の学力調査は初めて全国の公立校すべての参加となる。
教育に競争なんて必要ない。
みたいなかっこいい言葉は、俺には言えない。残念ながら、それなりの競争を勝ち抜いて今のポジションにいるわけだから。でもいっこ思うのは「テスト = 競争」みたいな発想は短絡的過ぎるんじゃないか。テストは何のためにあるのかを、検定ブームが通り過ぎて、漢検の不祥事とかもあって、ちょっとはそういう根本的なことを考えてもいい気がしてきた。
高校ではけっこうな頻度で実力テスト(模試)があった。「実力テスト」という名前はしかし、実力を知るためのテストではない。試験直前に勉強して少しでも点数を伸ばすことが奨励される。姑息な競争だ。それでも、その点数は文字通り「実力」として扱われる。自分と他人の「実力」を見比べて一喜一憂する。悪い点数なら、こんなもん俺の「実力」じゃない、と切り捨て、いい点数なら、俺の「実力」を見てくれと嬉々として見せびらかす。
ひとは見たいものしか見ない。
テストをやるのはいい。テストの答えは教師が教えてくれる。問題は、テストの結果と向き合う方法を誰も教えてくれないことだ。自分の「実力」と、自分の弱みと、向き合う勇気がない子どもが、競争へと駆り立てられていく。ていうかそもそもそれってほんとに「実力」なの?という疑念を抱きつつも知らぬ間に「テスト = 競争」みたいな発想の貧困を背負わされていく。手段が、目的になっていく。
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