というタイトルの小説を読みたい。
本谷有希子の描く、ぬるい絶望はすばらしい。
みたいな話をしたいわけではないけど、
日常はぬるい絶望に満ちている。
昨日もちょっとした絶望を味わった。
研究室の準教授の頭悪さに。
俺の第一希望の院は、院試に研究計画書が要る。
でもうちは卒論後期からなので、
そんなのどうやって書けばいいかぜんぜん分からなくて、
きのう準教授に聞きにいった。
すると、準教授は、
「そんなの適当にやったら通るんだよー!」と言う。
真正面に構えないことが占い師のコツだというが、
学問もまあ占いみたいなもんで、
どうやら俺の質問に真正面からは答える気はないらしい。
‥いらっ。
俺がイラっとしているのを察したのか、
「じゃあ俺が受かりそうな研究計画書のタイトルを考えてやるよ!」
と言って、おもむろに院のパンフレットをめくり始める。
「こういうのは教授が好きそうな言葉を入れとけばいいんだ!」
と、その辺に書いてあるキーワードをつなげてみる。
エンジニアは専門家ではなくて、
いろんな知識をきれいにつなげ合わせれる仕事だ。
というのがその人の持論だが、
紡ぎだされた研究計画書のタイトルは、しかし
フランケンシュタインのようだった。
「水利施設の防災プロジェクトのリスクマネジメントのアカウンタビリティについて」
確かに、「の」の法則を押さえたネーミングではあるけれど。
準教授は誇らしげに「これで合格間違いなし!」と言う。
‥いらいらっ。
仕方ないので、研究計画書の話はやめて、
もうちょい一般的な話題をしてみる。
土木計画にもっと弱い人の意見とかを入れるには
どうすればいいかに興味があるんですよー。
みたいなことを言うと、
「あー、じゃあパブリックマネジメントの研究とかをしたらいいんじゃない?」と言われた。
パブリックマネジメントというのはたぶん「ちゃんと市民の意見とかも取り入れつつ政策決定するマネジメント技術」みたいな意味だと思う。
ここまではいい。たぶん俺の興味と一致している。
でも、よくよく聞いていると、
準教授は、パブリックマネジメントのことを
「文句を言う市民をなだめすかし納得させる方法」
だと思い込んでいる。
なにその上から目線?
‥いらいらいらっ。
まさか、ここまで話が通じない人間だと思っていなかった。
40代くらいだけど、化石のような考え方のオッサンだ。
このひとのもとに一年間いるなんて。
ぬるい絶望を覚えた。
1 件のコメント:
ちょっと吹いてしまったw
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