2010年2月22日月曜日

劇団☆新感線「蜉蝣峠」(ゲキシネ版)

ゲキ×シネ 蜉蝣峠を観てきた。

元の舞台は、2009年の3月〜5月にやっていた。
古田新太と堤真一が共演していて、
しかも脚本が宮藤官九郎。
これは観に行くしかない!
と思いつつ行けなかった。痛恨のミス。


元々、新感線を初めて知ったのは、
「野獣郎見参」という、
堤真一と古田新太が対戦する舞台をテレビで観たときだった。
当時のテレビドラマではクールな役になっていた堤真一の、
あまりの変貌ぶりに「演劇ってすげえ!」と思った記憶がある。

堤真一は、やっぱり期待を裏切らないいい演技。
面白いし、
激しいし、
悪役らしいワルっぷり。
このまま新感線に所属してしまえばいいのになーと思う。



古田新太は、可もなく不可もなく。
面白いけど、
そこそこシリアスな役柄だからハマり役という感じでもない。
まあ面白いけど。



そして宮藤官九郎の脚本は、
これは中島かずきには書けない。
いろんな意味で。

まず、とりあえず下ネタ(笑)。
冒頭に、古田新太がうんことかちんことかいじってて…
スクリーンで観るには衝撃が強すぎた。
舞台なら遠くてよく見えないからいいけど。

女の子とは一緒に観れないなーと思った。
まあ一緒に観る人なんていないから無駄な心配やけどね!笑


でも下ネタを補っても余りあるストーリーの面白さ。
破綻しそうな物語がまさかの展開でつながっていく。

こんなドロドロした物語で、
中島かずきなら、登場人物を潔く死なせるだろう。
殺してしまうと物語はわかりやすくなる。
登場人物が減るし、
「実はこの人はこんなんだったんですよ」
みたいなお涙頂戴の話を持ち出せばそれっぽくまとまるから。

けれど、宮藤官九郎の脚本では、
登場人物は潔くない。
汚く泥臭く、執着する。
その執着は絡まり合い、物語はカオスになっていく。
カオスになっていくのに、
きちんとストーリーがつながっていて、
そのバランス感覚が、クドカンの面目躍如だなーと思う。


なんかたまに、
中島かずきの脚本って最近微妙だなと感じるけど、
それはまとまりが良すぎるからなんだな。と思った。

長い話を書けば書くほど、
物語を収束させたいという欲求に駆られる。
でもそれは、
劇作家としては逃げだ。
なんか偉そうな言い方だけど。。

昔、変貌した堤真一を観てるときに感動したけど、
そんな風に、
崩壊寸前のようでそれでいて安定している、
そんな,しっかり狂った演劇が俺は好きだ。


そして、
とにかく舞台で観たい。
とゲキシネを観るといつも思うけど、
そういう戦略なのかな。

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