2010年2月27日土曜日

「長かったというか、あっという間でした」

浅田真央インタビュー(gorin.jp)
http://www.gorin.jp/bc/index.html?v=68788931001


「長かったというか、あっという間でした」
と言って浅田真央の目から涙がこぼれる。

このインタビュー映像、
ニュースにはダイジェストしかでてこないけど、
フルサイズで観ると、インタビュワーの質問と浅田真央の答えがぜんぜんかみ合ってないことに気付く。

具体的に言うと、以下の3つの質問がスルーされている。

長かった、あっという間。そのように感じたのはどのあたりですか?

演技に向かう前、ずっと音楽を聴いてらっしゃいましたよね。
どんなことが、こう、頭をよぎったんですか?

オリンピックまでの4年間、いろんな苦しいことがあったと思います。
今、振り返ると何が、こう、一番頭に浮かびますか?


たしかに浅田の気が動転していたのもあるけど、
これはインタビュワーの聞き方が悪いんじゃない?と思う。
「長かったというか、あっという間でした」という時間の流れを理解していない。

「どのあたり?」なんて聞いてもわからない。
それは一瞬だったのだから。
そのくせ永遠に感じられる。

何の本だったか思い出せないけど、
最近の若者には、一瞬しか見えない。
刹那主義とはまたちょっと違う。
刹那で終わってしまうのではなくて、
一瞬の中に終わらない永遠を見るのだ。
みたいなことが書いてあるのを最近読んだ。


今というのは一瞬で、
そしてその一瞬がすべてだ。


それはとても長いけれど、
一瞬に、同時にやってくる。
だから「どのあたり?」と聞いてもわからない。
一瞬なんだから、分けることなんてできない。

そして、今しか見えない。
始まる前のこととか、
ましてやこれまでの4年間のことなんて、
すぐには目のピントを合わせられない。
たぶんこれからのことを聞いても同じだろう。


とかこんだけ言いながら、
「長かったというか、あっという間でした」
という時間の流れ方を感じたことは、たぶん俺にはない。

俺がインタビュワーでも同じような的外れな質問をしてしまうのかな、
と思いながらこの映像を見ていた。

そのひとの時間の流れを、きちんと想像できる人間になりたい。

1 件のコメント:

中尾泰治 さんのコメント...

>今というのは一瞬で、
>そしてその一瞬がすべてだ。

というあたりに共感するので。

過去のことは、過去の記憶を思い出す、「今」、経験する。
未来のことは、期待や推測を、「今」、経験する。

うまく言えないけど、結局、「今」を経験することしかできないし、今、この瞬間に経験していることを、味わっていきたいなあ、とか、考えたりしてます。