松尾スズキの演劇は一言でいうと、
暴力的だなと思う。
それは殴る蹴るとかいうことではなくて、
何もわからないままにただただ感動させられることが
とても一方的なコミュニケーションだという意味で。
テーマがどうとか、メッセージがどうとか、
そんなのどうでも良くなる。
言葉で言い表せるようなものなんて、
きっとくだらないものばっかりだ。
そう思いながら俺は、
「キレイ」を何十回も読み直しながら、
脚本を書いてた。
文章うまいね、
と誉められることがたまにあるけど、
俺の高校時代の半分くらいは文章を書くことだった。
多少はうまくならないと、もとがとれないよね。
でも、俺が身につけた技術はたぶん、
正統派な文章力ではなくて、
「それっぽい文章を書く能力」とでもいうものだ。
これって、身につけてはいけないものだったと最近感じる。
ふと昔書いた脚本が読みたくなって、
段ボールから引っ張りだしてみた。
俺がスキンヘッドだった時代を。
それっぽい言葉の羅列。
会話っていうのはおしなべて、それっぽいのかもしれない。
臭いんだよ、ハゲ。
みたいなストレートな言葉は、
普通は唾と一緒に飲み込んで言わないよね。
果たして俺の文章力がしょぼいのか、
話し言葉と書き言葉の差なのか、
よくわからないけど、
俺はそれっぽい言葉でお茶を濁すことしかできない。
大学のレポートなんてそれで十分だったから。
でも、今書かないといけないのは研究計画書だ。
院の入試まで、
俺の未来まで、
お茶で濁したくはない。
頭の中にあることを寸分違わずに文章化するのはとても難しい。
その難しさを初めて実感している。
目覚めろ俺の文章力!
と願いながら今日も研究室に籠ります。
あ、もっかい言っとくと、キレイのDVD貸すよー!
観たい人は連絡をください◎
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