2009年6月16日火曜日

研究計画書(修正版)

16日朝、修正しました。
・「土地利用規制」「土地制限」「土地規制」を「土地利用規制」に統一
・最後の段落を修正

コメントください。


「タイの遊水地政策の現状と課題」

1 背景
 災害の被害の大きさは (1) 洪水の強度(流量、水位など)、(2) 治水施設の能力(貯水容量、流下量など)、(3) 被害ポテンシャル(人口密度、建造物など)の3要素が絡み合って決定される [1]。近年、気候変動などによると考えられる洪水強度の増大や、(3) を低下させることによる減災効果が実証されてきたことを背景として、遊水地政策をはじめとした非構造物対策に注目が集まってきている。しかしながらそのプラクティスはまだ少ない。
 その中でもタイは、土地のゾーニングに「遊水地」という区分を設けて土地利用規制を試みている数少ない国である。この政策は先進的であり一定程度の成功を収めているとされている [2]。

2 概要
 本研究では、バンコク周辺において、遊水地の土地利用規制がどのようにマネジメントされているかに焦点を当てる。
 上述のようにタイは遊水地指定による土地利用規制を行っているが、現実には、人口集中が進む都市において、土地を使われないままに維持するのは困難を伴うと考えられる。たとえ法律で規制されていてもガバナンスが不十分であれば、使用されてしまう可能性がある。具体的には (1) スクオッターによる違法占拠、(2) デベロッパーによる違法開発、(3) 土地利用規制の不適切な解除、といった形態が考えられる。これは治水政策の本旨を損なうものであるし、なによりその土地を使用する者自身にとっての不利益につながる。
 以上の問題意識を念頭に置きつつ、タイの遊水地管理に関して主に以下の観点から検討を加えたい。
• 遊水地管理に関する組織体制や法制度の研究
• ガバナンス、治水計画への住民参加の測定
• タイの土地、治水に関する文化の研究
• スクオッターの居住実態の調査
 この研究を通して、災害防止のための土地利用規制において重要な要素を考察することを目指す。

3 目的・意義
 この研究は、タイの遊水地政策の先進性と課題を明らかにすることを目的としている。強力な都市化の圧力に曝されているタイの遊水地を土地利用規制することは困難を伴う。しかし、その困難の中で治水政策を進めるタイの政策は先進的であると考えられる。その実態と展望を明らかにしたい。
 遊水地による治水政策はヨーロッパを中心に発展してきた。一方アジアでは、遊水地の文化は広く見られるものでありながら、それを政策にまで発展させた国は稀である。モンスーンアジアに適合した治水政策が求められている中、遊水池による治水を政策として実践しているタイの事例から学ぶものは多いと考え、このテーマを選択した。

参考文献
[1] 吉川勝秀「河川流域環境学」技報堂出版 2005
[2] 砂田憲吾ほか「アジアの流域水問題」技報堂出版 2008
[3] UN World Water Assessment Program, ”National Water Development Report: Thailand”2007

2 件のコメント:

fujimon さんのコメント...

分野は違っても、こうやって書いてくれるとそれだけで何をやっているか整理されていて改めて何を考えているかわかるからいいね。
俺も書こう。

「俺はこの問題でトップはりたいんですす!!!」という部分が個人的には聞きたいかな。

yung さんのコメント...

なるほどねー。そういうの大事ですよね! ありがとうございます。