2009年5月27日水曜日

【本】アジア太平洋諸国の収用と補償



キャリーズ,デービッド・L.ほか「アジア太平洋諸国の収用と補償」成文堂 2007



最近土地収用について勉強している。

この本はばりばり法律の本で、しかも訳書なので読みにくかった。
眠気を誘うという点で春の陽気と難しい本は似ている。
新しい季節とか知識とかに、体はそんなに簡単になじまない。

それでも、
時間がなかったので全部は読んでないけど、
難解ながら、なかなか興味深かった。


例えば日本は、
土地は個人のもので、
でも「私有財産は正当な補償の下にこれを公共のために用いることができる」と憲法に書いてあるから、
収用には法的根拠があるし、
収用の際には補償を受けることができる。


でも世界を見渡してみると、
(1) 財産権が制限された場合の補償のことが憲法に明記されていない
(2) 土地はすべて国が所有していて国民はそれを貸してもらっているだけ
という国が少なからずある。

(1)の場合は、憲法に書いてなくても法律で規定されてる場合が多いけど、法律だから行政が都合がいいように補償の規定がなくされてしまう危険がある。

(2)の場合は、そもそも土地を所有する権利がないから、それを政府に立ち退きを命じられても仕方ないよね。みたいな感じ。それでもバランスを取るために、ちゃんと補償みたいなものが得られるように法律があったりすることが多い。


国によって法律も違うし、この本にはあんまり書かれてないけどたぶん土地所有に関する文化とか認識も、かなり違うんだろう。
土地のことって複雑だからよくわからないけど、
もっとよく知りたいと思った。

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