2009年5月28日木曜日

農林中央金庫、純損失5721億円

農林中金、純損失5721億円 前理事長ら退職金凍結へ(朝日新聞)
http://www.asahi.com/business/update/0527/TKY200905270328.html


農林中央金庫が海外資産投資の損失拡大で赤字に転落した。
農林中金は、農協、漁協などのお金を投資運用をする組織だ。
(農林中金、信連、農協とかの関係が俺にはよくわからないので、この記事で間違ってるところがあれば教えてください!)


昔も赤字に転落したことがあった。
といっても俺が子どもだった頃の話なのでよく知らないけど。

住専問題

というやつだ。

バブル期に不動産融資にのめり込んだ住専7社に、信連(信用農業協同組合連合会)などの系統金融機関は5.5兆円貸し込んだ。これが回収不能になれば、全国の信連がバタバタ倒産してしまうピンチ。農協を救済するために税金が投入され、信連は5,300億円だけ放棄することで政治決着した。(日本最大の機関投資家・農林中金の巨額な「隠れ損失」(上) | 東京レポートより)


税金を投入することの是非で激論が交わされた末の結論だった。
農林族議員のがんばりのおかげだという。

果たして農協には6850億円の税金が投入された。

それで農協が破綻せずに済んだのは確かだが、
このことが原因で、農協は農政に口出しをできなくなったのではないか、と先崎千尋は「農協に明日はあるか」で述べている。
そもそも、農家のための機関である農林中金は、農林水産系の会社に投資することが本分で、住専のように投機目的に資金を運用するのは許されない。みたいなことを、先崎をはじめとして「本来の農協の姿」のビジョンを持つひとは主張している。


そのバブル時の危機の反省を活かして2002年につくられたのが、JAバンクだ。
それ以前は農林中金、信連、農協それぞれの金融機関に分かれていたのを一体化させた超巨大金融機関。
JAバンクになって投機的な資金運用に拍車がかかった。
住専問題でよせられた批判への回答は、
そもそも投機的資金運用をやめるのではなくて、
もっと大規模に投資をすることだった。

といって、それを責めれるかというとそんなことはない気がする。

 農協マネーを集めたのはいいが、溢れるばかりの資金の運用は農林中金にとって悩みの種。農林中金の役割は法律上「農林水産業への資金の提供」であるが、農業・漁業は衰退、企業からの資金需要も低い。となれば、有価証券で運用するしか手はない。(日本最大の機関投資家・農林中金の巨額な「隠れ損失」(上) | 東京レポートより)


農林中金の有価証券投資額は、日本生命や三菱UFJを上回る。
その大規模でハイリスク、ハイリターンな資金運用が、サブプライムローン問題のあおりを受けた。
農林中金はまた危機に瀕している。
また税金の投入を受けるだろう。


たぶん根本的な問題は、
「農業・漁業は衰退、企業からの資金需要も低い」
ということなのだろう。

こんなにもお金があるのに、
こんなにも第一次産業は衰退してゆく。

その不思議なもどかしさの中で、
農協も、農協を批判する人も、そんなの他人事だと思ってる俺たちみんなも、答えを見つけることができないでいる。

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